先日、友人からSIONの「SION '98>'03」を贈られた。
実に久しぶりのSION。なんで俺、聴いてなかったんだろ。
聴いてたらすごく切なくなってきた。それが俺にとってのSION。
「螢」。このアルバムは無人島に持っていくであろう名盤。
しかし無人島で聴いたら涙が止まんないだろうな。
久々のSIONの言葉に切なくなって手に取れるCDを
引っ張り出してきて歌詞を読む。
もう何十回と聴いてきたのに言葉の断片が胸をチリチリさせる。
その昔 誰も何も信じない男がいた/外に出たことのない
自信だけを/大切にかかえて/明日なんて知らねぇさ/
吐き捨てるくせに/明日が/明日こそはすがってた
そういえば10年前/朝のラッシュにがまんできずに/
せっかく決まった会社の/書類をゴミ箱に投げすてて/
どっかへいっちまった/あいつはいったいどうしてるだろ/
もしかしたらとなりの車両で/だまって目をつむってるかもしれない/
不安の/欠片もない奴なんて/
強がっているか/いかれてる奴だけさ/
なかなか切り出せなかった二人が/ゆっくり話しだすように/
諭すようにただ黙々と降る雨に/みょうに癒されて/
久し振りにオフクロに電話をかける/雨振る街の赤茶けた公衆電話から/
オフクロは静かな声で/たった一言「生きてなさい」そう言った/
自分ばかりを抱きしめていたよ/
あまった優しさしか/やれなかった/
言葉が映像を連れてくる。
バンド解散後、ひとりで曲作りを始めた時、言葉っていうものを
考え出した。それまではノリとか雰囲気で書いてきたけど
バンドが解散する直前くらいから書きたい世界が見えてきた。
その時期にSIONを聴いていた。これだって感じだった。
俺の描きたい世界は「痛み」にあった。
久しぶりに歌詞を読んで覚醒した。
ちょっと遠ざかっていた言葉っていう原点に戻った。
こんな日はお湯割りを飲みながらまったりしたいね。
ウチの焼酎コーナー。黒糖ばっかり。
SIONも中野あたりで飲んだくれてるのだろうか。