書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

書道を通して感じ合うもの

先日の教室は熱かった。

 

半紙や色紙に書くアート書道と、

大きな和紙に書く大書体験の連続ふた枠に

旅行中のアメリカ人男性から予約。

 

準備をしているとスタジオ内で御朱印帳を創っていた

アメリカ人の女性がこちらのサンプルなどを見て

自身もやってみたいとその場で予約。

 

男性はいくつかの好きな漢字をスマホに保存していて

こんなに力強い「無心」を書き上げました。

書いてる時も高揚してあちこちに墨を飛ばしw

書き終えた後も奇声を上げて喜んでいましたw

一方、女性のかたはじっくりとイメージを広げ、

「和」をベースに静かに曲線を筆で描いてゆきました。

「どんなストーリーで描いたのですか」と聞くと

「人生は曲がりくねっていて、落ちたり、上がったりの連続、

 その中から幸せや平和を紡いでつなげてゆきたい」と。

 

終始、対照的なリアクションのおふたり、

現場、バタバタしましたがいい時間になったようで良かったです。

 

女性の方は70代、おひとりで日本を9日間旅行中で

たくさんの美術、芸術を見てきたそう、

国立美術館では得難い、素敵なアート体験だったわ」

と若々しい素敵な笑顔で帰られました。

 

2時間目は先程の男性が椅子に座って

内面を表現してゆくアート書道の時間ですが

やっぱりテンション高くて楽しかった。

一所懸命集中して「不動心」など書き上げました。

 

大書の大きな和紙三枚とたくさんの書を抱えてアメリカに帰るそうです。

ツーリストで言葉のコミュニケーションはスムーズではなかったけど

人間的な深い感じあいは短い時間の中でできたのは

こういう、ものを創りあげるって行為の素晴らしいところ。

 

創造力は言語の壁を超えます。

世間的な優劣や、大小、有名/無名、にとらわれず

自分の感性や価値観、好奇心に生きる。

そして行動する人はいつまでも若いし、

話していても心が豊かだなとも感じます。

旅をしに訪れた日本でこんな風な一期一会があって、

人生の中のいい思い出や経験の一片になれたら表現者としてとても嬉しく思います。

 

帰りは少し浅草散策してホッピー通りを横目に地元まで戻り

やはり唯一無二のものである鶏煮込みを食べに。

この店にしか存在しない煮込み。

ホッピーの焼酎はここまで入れるか?

100%好きな発想ですがw