書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

自分の感受性くらい

今朝は詩人茨木のり子さんの詩を読んだ。

午前4時、朝を迎える前の深い闇の中で。

有名な詩がある。

その言葉は「弱さ」をボリボリと掻き毟って滲んでゆく血のようだ。

だから時々この詩を読み返し自壊しそうな考えを自戒する。

コロナ禍の中、「自己責任」というニュアンスや言葉が国の上や報道から聞こえてくる。今一度、この詩の中から「自己責任」の意味を考えたい。

載せておきます。

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自分の感受性くらい   茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを 近親のせいにはするな なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ

 

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強い言葉ながら、叱咤激励になっている。

甲本ヒロトの詩もいずれ教科書に載るだろう。

表現は旅。

 

彷徨いながらも、しっかりと向き合って

大切に表現してゆきたい。