どこにでもある、
だけど特別な風景。
12歳まで過ごした街を訪れた。
ホームランボールはいつも住宅の壁を越えてその度に呼び鈴鳴らして申し訳なさと嬉しさで取りに行った。
日が暮れてなお、ビー玉遊びをしていた公園。
小さな体をすぼめて入った秘密基地は宅地になっていた。
たーちゃんちは表札が変わっていた、
透くんちはそのままだった。
当時セブンイレブンってのが日本に出来て、スラーピーを一気に飲んで頭キンキンさせてたっけ。
あの頃の少年に語りかけるようにありふれた街を歩いた。
歩けなくなった母親に見せてやろうとありふれた景色を撮った。
家族が家族であった場所。
トタンの生家は変わらずあった。
冷たいビールが飲みたくなって
今という場所に向かった。