東京に夏のような熱さと
春一番のような突風が吹き荒れた
12月の空を切り取りにサイクリングに出た。
東京というキャンバスは冬の彩りを始めている。
山手線の外側を周り、新宿方面からの帰り道。
自転車をこげないほどの向かい風。
一句詠んだわけではない。
風笑う慣れないことをするからさ。
今、静かに自分の進むべき方向を見据えている。
現状維持のその向こうに突き抜ける航海図を描く。
二度とない瞬間にパッと燃える。
紅炉一点雪(こうろいってんのゆき)
師が走ろうが、寝てようが
己のリズムは変わることなく。
忙しさはありがたい。