書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

肉体が作る言葉

少し前、あるセミナーで講演したとき終了後来場者と
名刺交換会があった。その中のひとりに若きベンチャー
社長がいて、後日メールがあって「友人たちに会って話して
ほしいので食事しませんか」という内容だった。
指定された都内のおしゃれなレストランに行って
何人かの若きIT関連の役員や外資系の秘書などと会った。
誰もが知ってる有名ベンチャー社長に会った話、
経済新聞から拾ってきた話、株の話・・・・。
とっても論理的で理路整然としてるんだけどまったく響かない。
彼らの話の中に彼らが存在していないのだ。
職業に貴賎なし、俺もそう思っているけど人間の生き様が
感じられなくてさびしかった。もっともっと無茶して自分で
考えて体温を感じて生きりゃいいんじゃない?頭のよさそうな
話より歯ぁくいしばって自分の旗振ってみなよって言った。
物腰はやわらかくしてたけど最後まで奇異な生き物を見るような
目をしてたよ。

今通っているボクシングジムに毎日ペンキまみれの作業ズボン
でくる選手がいる。タトゥーだらけでそうとうやんちゃしてきたん
だろう、でもすごくいいヤツよ。一生懸命でかっこいいよ。
いじめの後遺症で障害者になった青年もきている。やっぱり
過酷なスポーツだからすぐ辞めちゃうかなと思ったけどハンディ
を背負いながらいっつも必死にやってるよ。汗びっしょりになって
ときどき泣き言も言ってるけどくらいついている。
頭や知識の言葉なんて彼らの苦しみや痛みを越えて頑張る
の前じゃなんの意味ももたないよ。彼らを見て励まされるよ。

さぁ、俺もこれから絞り込みに行くとするか。