できないことばかり考えて、もどかしさを感じていた。
やれたはずの過去を数えて、忸怩たる思いにかられていた。
なくなってしまえばわかるはず。
でもなくなることに怯えていた。
自分自身を欺いてまき散らした。
いっぱしなことを、
利いた風な顔を、
わかったような気を。
真夜中に逃げこんで
寂しさというゴミ箱の中で残飯を漁る。
空腹は満たされるわけもなく、
鉄のような血の味を噛み締めた。
自動販売機の灯りにさえバカにされてる。
人の良さをベタベタと塗りたくり
わずかに残る本当に純粋なものが酸敗する。
偉そうに
それらしく
聞こえのいいように。
声が響くかな。
野良猫も振り返らない闇を歩く。
空気を感じる前に
空気を呼む愚かさ。
深く息を吸い込め。
奥深くまで。
漠たる本質にたどり着くまで。
できないことよりも
妥協していたできることをすればいいんだ。