書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

独り言「夜からこぼれたその僅かな光」


できないことばかり考えて、もどかしさを感じていた。
やれたはずの過去を数えて、忸怩たる思いにかられていた。

なくなってしまえばわかるはず。

でもなくなることに怯えていた。

自分自身を欺いてまき散らした。
いっぱしなことを、
利いた風な顔を、
わかったような気を。

真夜中に逃げこんで
寂しさというゴミ箱の中で残飯を漁る。
空腹は満たされるわけもなく、
鉄のような血の味を噛み締めた。

自動販売機の灯りにさえバカにされてる。

人の良さをベタベタと塗りたくり
わずかに残る本当に純粋なものが酸敗する。


偉そうに
それらしく
聞こえのいいように。

声が響くかな。
野良猫も振り返らない闇を歩く。

空気を感じる前に
空気を呼む愚かさ。

深く息を吸い込め。
奥深くまで。
漠たる本質にたどり着くまで。

できないことよりも
妥協していたできることをすればいいんだ。