書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

ありのままがなによりも旨みになる

イベント終了後、夕餉はそば割烹「せお」さんへ。
ご主人の実直な性格が料理にあらわれて
かなり頻度が高く通わせていただいています。

おまかせのコースは一品一品感動の連続。

この日の小鍋は「すっぽん鍋」。
タイトな日々が続いていたので身体も喜ぶコラーゲン。
ありのままの良さが絶妙に演出されている。

そのときにふと思い出したちょっといい話。

先日、ある編集者と話していたときのこと。
その人、Kさんとしよう。
Kさんがいきつけのしょんべん横丁にあるバーで
ひとり飲んでいたらしい。その店は作家、役者、
芸術家など愛すべきクセモノたちの溜まり場。
たまたま隣に居合わせたほろ酔いのおじさんが
からんできた。ある専門分野に精通している
Kさんにおじさんは詰問する。
「君はその世界を知ったつもりでいるのかもしれないが、
いったいどれだけのことを知っているというのか」
喧嘩ごしの挑発に店内にも緊張が走る。
Kさんは一言。

「生きているぶんだけです」

ムキなることもなく、尻尾を巻くわけでもなく
ただただ自然に。