書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

言語を越えて

昨日、アート書道教室に来られたアメリカ人男女ふたり。

 

男性は世界の歴史に造詣が深く、なかでも日本の戦国時代〜明治までがピンポイントで好きとのこと。

なんでもその時代にあるバイオレンスとオリジナルな思想、クリエイティヴィティに魅了されたと話す。

 

こちら研修を含む3人の通訳スタッフがいたのですが、

書きたい言葉(漢字)のイメージを聞いたら訳すのが難しいほど深い考えを話してくれた。

「克己」など幾つか贈り、オリジナリティとストーリー広がる作品を書かれていました。

 

女性の方は穏やかで思慮深く、いきなり筆で「balance」と書き出したのでそのイメージから掘り下げた。

「すべての物事は単体だけど、別々でなはく繋がりがある。突出させずにポジティブなこともネガティブも受け入れて丁寧にバランスを取って暮らす」(多分そういう意味で言っていたと思う)

 

ちょうど前日に友人とビール飲みながらそんなことを話していて瞬時に共鳴。

 

日々、クリエイティブに過ごしたいとも言われていたのでこちらを書いた。

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和紙からはみ出す線やハネは〈限界を決めないこと〉〈独善的にならず、隣りと繋がって分け合うこと〉

そんなニュアンスを伝え、彼女も同じデザインで書き、絵筆ではみ出る方向に矢印を描き「No limit」と書き添えていた。

 

進みが早く、少し時間が出来そうだったので

急遽名前を漢字で書いてもらった。

人となりもなんとなく見えてきたので名前に嵌めた漢字の意味を伝えると

「今まで何度か名前を漢字にして作ってもらったけどこんな素敵な意味の漢字は初めてで嬉しいー」と喜んでいただき、清書の作品も自身の名前を書いていた。

 

わずか1時間弱ですが辿り着いた部分は深かったと思う。

 

それが書であり、また自分が表現し、伝えてゆきたい大切なところ。

 

何よりいい満足感や笑顔で帰られる姿を見れて良かったです。

 

まだまだ磨いてゆきます。