書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

鎮魂巡礼の夏

昨夜、全員無事に帰京しました。

今回は「国分町駆け込み寺」開設一周年記念として
比叡山より千日回法峰行者 藤波源信大阿闍梨様を迎え、
東日本大震災物故者慰霊供養の旅。

4日の昼に仙台国分町駆け込み寺に到着。
椅子に座って挨拶もままならぬ時に震度5地震
宮城県の震度5の地震は5月18日以来だそう。
その日も仙台に着いてサウナのソファに身を沈めた瞬間の地震だった。

4日は光禪寺にて護摩祈祷。

法話でも言われた「淡々と粛々」に日々を生き抜くということ。


翌5日は午前4時に車5台で仙台を発って女川へ。
漁船で出島へ。

ほとんどの住宅は倒壊、残ったのは昭和八年の教訓の石碑。

山を登り「永清寺」へ。
津波到達の碑があります。

振り返ると。

遠くの海からこの足下まで津波が襲ってきたのです。

帰りの船では供養で菩薩地蔵の紙を全員で海に流す。離水火災。

石巻に移動して日和山公園で鎮魂供養。


東松島では萬賽院(仮設)へ。

この後流されてしまった跡地で鎮魂供養。

穏やかな松島湾を見ながら「田里津庵」で昼食。

穴子のひつまぶし。

そして沿岸部をしばし走る。
何度も来た。
流された場所は雑草が生い茂っていた。
人の暮らしも再生できることを祈る。

夕方、閖上へ。

現地の方から聞く、震災当時の模様に胸がつまる。
この高台の下まで波が襲って全てを奪った。

そしてこの大地に藤波源信大阿闍梨が鎮座し、彩燈護摩
個人的にはこの光景が凄まじかった。
かつての暮らしがあった荒涼としただだ広い大地に腰をおろす。
燃え盛る焰。透徹と響く般若心経。
雲は激しく動き出し、ポツポツと降り出した雨は
終わる頃には強く打ち付ける。

俺は忘れない。



鎮魂と
生きている感謝に合掌。