確か小学六年の頃だろうか、あれからずっと心のベストテンから
外れない曲。
松任谷由実「守ってあげたい」
音楽を聴いて<切ない>という感情になった初めての曲。
兄貴の影響でYMOを夢中で聴いていた。中学になり友人宅にたまりU2や
カルチャークラブやデュランデュランを聴かされた。ギター弾きのヤツ
にはビートルズやストーンズを教えてもらった。やんちゃな仲間たちと
モッズやアナーキーやARBやキャロルに熱くなっていた。それでもなぜか
ずっと俺の心の中にはユーミンの「守ってあげたい」があった。
小6だった自分に歌詞がリンクすることもない。疑似経験すらできない。
だけど絵が広がる曲だった。今にして思うと琴線に触れる一番適当な
感情がこの<切ない>って部分なのだろうと思う。怒りも喜びも悲しさも
楽しさもすごく刹那なもので、振り落とされて最後に残る感情って
いうのが<切なさ>なのではと思うときがある。
でもこの言葉、俺の中では広辞苑など見つけられるネガティブなもので
ないんだ。懐かしく、暖かく、痛く、柔らかく、もどかしく、透明で、
美しいとかを内包した感情。なんだそりゃ?って感じでしょ。