書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

約束の日、あの場所から生まれた物語

昨日新宿へ向かう最中、新宿救護センター所長 玄さんからメール。
<18時半、風林会館前でよろしく>
そして合流して一軒の鉄板焼き屋の扉を開ける。
ステーキダイニング「湛山」。

話は六年前へと遡る。
フジテレビ「ザ・ノンフィクション」を観て、
新宿救護センターと玄さんを知った。
そして著書「新宿歌舞伎町駆け込み寺 解決できへんもんはない」
を読んで玄さんの生き様、考え方に感情が激しく動いた。
たまたま当時、センターがあったビルの地下の居酒屋の店主が
友達だった縁で紹介してもらった。

雑居ビルの小さな部屋で玄さんとふたりで話した。

当時から心を見つめる人だった。瞬時に忖度できる人だった。
言葉よりも行動力でそのタフさと秀穎さを表現できる人だった。

人見知りで猜疑心の強い俺の心がスルスルと解けた。

「メシでも食いにいこか?」

と近くにあるステーキハウスで赤ワインをボトルで入れて
鉄板焼きのコースを食べながら語った。
正直味なんてわからなかった。
ただすげぇ人と出会っちまったなぁと思いながら口を動かしてた。


時は戻る。
昨夜、訪れた店で舌鼓。
当然赤ワインのボトルが入る。
さっぱりした和風だしと新鮮なアワビがよく合う。

肉は常陸牛のA5。仕事ぶりもパーフェクト。


シェフは玄さんがセンターを立ち上げる前、歌舞伎町で暗躍(?)
していたときからの知り合いでこの日は数年ぶりの再会。
シェフが以前やっていた店でよくステーキを食べていたそうだ。

ん?歌舞伎町?ステーキ?
過去の記憶に走ってゆく。デロリアンに乗っているかのように。

そう、そのシェフとは六年前、俺と玄さんが初めて会って
目の前の鉄板でステーキを焼いてくれたシェフだったのだ。

長い時間が与えてくれたプレゼント。
そしていろんなタイミングが重なった夜。

初志貫徹。

言葉よりも心で生きる。



    東京はいい天気。こんな日は「モヒ猿」と海へ。