男とは友の中に自分の人生を見つけるものである。
時にどちらからともなく、「一杯やらないか?」と。
店なんてどこでもいい。ビールさえおいてあれば。
飲むピッチも酔うピッチも一緒。会計も半分。
親友とはそういうものだ。
昨夜はかつてよく朝方まで飲んでいた焼肉屋で一献。
お互いの近況を語ったり、野球やサッカーの話をしたり、
音楽や洋服について喋ったり。
特に人生や夢を語ったり、熱く討論したりはない。
親友とはそういうものだ。
相棒はグラップラー、俺はストライカー。
タイプは異なれど、ハートの部分に違いはない。
「ありがとう」や「楽しかった」も言うわけでなく
握手も、ましてやハグなんて洒落たこともしない。
ただ「またな」って言って帰ってゆく。
しかしその時間こそが何よりも自然で
何にも替えることができない。
かみしめるものを知っているから。
親友とは、うん、いいものだ。