書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

我の上に我なし、我の下にも我なし

そのままを描くことしかできない、
その思いをぶつけることしかできない。

でもそれで高野こうじは立っている。

必要とされなくなっても描き続けるだろう。
でも筆を持っている自分が必要とされて
誰かと繋がっていることはやはり嬉しい。

「嬉しい」なんて凡庸な表現でいいのかな、
でもそれが一番しっくりくる。

プライベートは筆を持っているからっていう
直接の関係ではなくてもやはりそんな自分
はそこにいたりもする。

少しだけ創作書家っていう自分が血になってきたのか。


一昨日は友人の探偵 小原誠さんの著書出版記念
パーティーが六本木であったので参加させてもらいました。
日ごろから良く飲んでお世話になっている方なので
少しでも役に立てるならとライブで描かせてもらいました。
いや、描きたかった。そんなシンプルな気持ち。

いつもは龍(封印中)や魚、花などを描きますが
この夜は探偵さんということで工藤ちゃんを描きました。

探偵と聞くと隠匿を暴くような危険でダークなイメージを
持つ人もいるけど、小原さんの著書や話を聞くと人を
幸せにできる仕事なんだなと感じ、「幸」という一文字と
「我の上に我なし、我の下にも我なし」と書いた。

パーティーということでアルコールの力もあるせいか
一体感の欠如は否めない中でほんとうにたくさんの
注目と拍手をいただいたことに感謝。

腰には鉛のような鈍痛と時折襲う焼いた刀で刺すような
鋭い痛みはあれど、筆を持てることに、興奮を共有できる
ことに魂は熱くなる。

この一瞬一瞬の刹那が明日へ伸びてゆく。


出演終了後すぐに移動だったのでタクシーの中でも
静かに興奮している。

夕食はセンチュリーコート丸の内の和食へ。
喧騒と乖離した静けさ。心のクールダウンストレッチ。


日本酒が心地よく染み渡る。

一日とは気持ちのいいレコードのよう。
それぞれの名曲がそれぞれの場面に合わせて
奏でられてゆくものだ。

そのために怒りにも痛みにも悲しみにも弱さにも
覚悟をもって対峙せんばね。




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