書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

成長の轍

求人誌なんかでよく見る
「ヤル気のある人、大募集!」って言葉に
現代日本の空虚さを感じる秋。

100mを9秒台で競ったり、
プロ野球のドラフト会議にかかったり、
外資企業に高給でヘッドハンティングされたり
そんな人たちはヤル気ではない具体的な特性を持つ。

ヤル気だけが通用するのはアマチュアや趣味の分野であって、
生業とするものはやはり厳しい中にあったほうが
技術や個性や生き様が磨かれてゆくのではないか。

立川談志さんの言葉の一節、
「現代はアルバイトで食えてしまう。
それは楽なごまかしになっていくのではないだろうか」
一つの道に生きた人の切なるメッセージだろう。

「生業」には<生計を立てるための仕事>という意味の他に
<農業>という意味がある。
風雪に耐え、日照り干ばつに負けない努力と対策と
技術と知性が多くの実りをもたらせるのだ。

これから技術を身につけようとしている人を
ターゲットにしている求人誌ならまだしも
総裁選を見ててそう思わせるんだもんな、
空虚を感じちゃうよ。

写真は、アパレル界の重鎮、「喜寿どこ吹く風」と
柔軟な発想を持つバッキバキの知人に
お祝いのウィスキーラベル、一筆書きました。