乗り継いだバスも渋滞にはまりやっと着いた。
何故、今回石巻に向かったのか。
それには明白な理由がある。
2000年、石巻に講演に来た。
創作書家として初めての講演だった。
初めてにして500人を超える大舞台。
プロットを用意して、何を話すかきっちり練り上げ
当時の俺は石巻の地に着いた。
前乗りし、講演の前日に縁あってダウン症の方が集い学ぶ「つながりの家」という場所にお邪魔し、子供たちと遊び、親御さんに言葉を紡いだ。
そして俺たちは北上川に暮れる夕陽を見たんだ。
その夜、ホテルに帰ってすぐに翌日の講演のプロットをごみ箱に捨てた。
そして丸腰で二時間、語り、書いた。
あれから11年、そのスタイルは未だ変わっていない。
残念ながらお世話になった石巻の方たちの連絡先は残っていない。
インターネットでもフォローできないことがある。
だから向かう。
無事なのか、
元気なのか、
北上川の夕陽はどう変わったのか。
少しばかり遅くなってしまったけど、
あの日からずっと心の中にあった想いで
今ここに立っている。