書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

今年に入り、父の体調が急激に悪くなり、
入退院と検査、ケアマネージャーや在宅看護師とのミーティング、
セカンドオピニオンや在宅医の確保、
各病院の相談員の打ち合わせなど怒涛の一ヶ月だった。

どの結果も残念ながら希望を持たせてくれるものはなかった。

あとは「その時」に向かって行くしかない。

いい歳して本当の意味での命の尊さと儚さ、覚悟を感じている。

自身、認知症鬱病で苦しみ悲しそうな顔で「頭がパーになる」と
嘆きながらも杖をつき、いつもオヤジの側に寄り添うオフクロ。
仕事柄ただでさえ少ない睡眠時間を削って病院に行ったり
実の親のように大切にし、明るく振る舞い両親を笑顔にしてくれる妻、
会えば優しい言葉をかけてくれる仲間たち、
多くを言わずとも内側を察し、行動と言葉をくれる師、
作品を力や励みにしてくれ、書家の自分を応援してくれる方々。
近隣の住民の皆さんや介護に携わる多くのスタッフの献身。

こんな中、本当に助けてもらい、支えていただいている。

応えられるのはもう少し先になるかも知れないけど
恩義は生涯忘れることはない。

そして食欲も元気もなくなってしまったが
淡々としている(見せている)父の人間の大きさに最大の尊敬を抱く。


魂以外の部分でオヤジの息子である時間は
そう長く残されてはいない。

時間は誰にとっても平等だけど
質量はどう生きるかによってそれぞれ違う、
生ききろう、人生は二回目ができないのだから。
やれることしかできないのだから、
やるしかない。

それでもさ、
たくさんの人の支えや愛情を感じ、
やはり「生きる」って素晴しい。


PS 読んでくれた人の中にはそれぞれの中にある
辛い過去を思い出させてしまったりしたかもしれないです、
すみません。