昨日、友人の営む喫茶店(カフェというには王道すぎる)でアイスティーを飲んでいたらオーナーが一冊の本を薦めてくれた。それは山田耕筰の書いた「生れ月の神秘(実業之日本社)」で大正14年に日本で最初に書かれた占星術本の復刻本。ヨーロッパに音楽の勉強に行った山田耕筰が占星術に魅せられて書いたものだ。ふむふむと10月生まれを読んでみる。その中にいい言葉を見つけた(10月生まれの人は注目)
正直であれ
真実であれ
社会の尊敬に値する人であれ
実行家であれ、夢想であることなかれ
グッとくる言葉だな。
前書きの文章を借りると山田耕筰なる人物とは偉大な音楽家だったが富らしきものはなく、財に恵まれなかったけど生前の彼に暗さやみじめさを見た人は誰ひとりいなかったという。人生を肯定し、回復の叶わぬ病にあっても常に人を笑わせるユーモアを持ち日本を愛し、音楽を愛し続けた人柄は人生を終える瞬間まで大きくキラキラ輝いていたそうだ。星占いにして星占いにあらず。大正ロマン薫る書物です。
陽も落ちてきてビールに変える。杯を重ねるうちに新宿の友人の店に行きたいねという話になり五反田からタクシーで高速を飛ばし新宿へ向かう。うん、確かに実行家ではあるようだ(苦笑)。