日が暮れるのが早くなり、少し風は冷たくなったけど、ベランダで再会。
野生昂る食材と。
炭焼き割烹「空」、開店。
火は魔力、
本能の覚醒。
三週間寝かせたアンガス牛は突き抜けた成熟の匠。
三河の鰻、香ばしさとふくよかさ、香りの天才。
大間の中トロ、軽く炙り旨みを引き出す。瞬間にして溶ける。
存在がアート。身もさることながら肝が泣かせるほど上質。
ビールは飲まず、白ワインからカフェジン。
奪われた時間にもこの空があった。
会えない人、行けない場所、同じ空があると言い聞かせた。
静かに、穏やかに沁みてゆく。
沢山の極上の物語の最後は松茸ご飯と蛤のお椀。
繊細で剛毅。
ゆっくりと時間が動く。
やるべきことを、貫くべきことを知り、また。