書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

鯨の髭

こういう仕事はかなり特異性のあるものなのでこんな変わった
依頼もあるのです。とある飲食チェーンから。

素材の黒く光る物体は鯨の髭です。
鯨は海に住む生物の中で一番大きく、その「大きな」を意味する漢字
「京」を魚偏にあててクジラと表わしたそうな。クジラとイルカは同じ
仲間で、便宜上、大きさが4メートル以上のものをクジラといいます。
と、さかな君ばりのうんちくはこの前、新江ノ島水族館で勉強してきました。
また鯨の髭はかつて欧米のエレガントな傘の骨を使ったり、ベルサイユ
宮殿時代には貴婦人のスカートをふくらませるために鯨髭が輪骨として
使われたりしてたらしく、現代のプラスチックのようなものだったらしい。
是非、飲み屋で鯨料理を見つけたらこんな話をしてみてください、
酒も不味くなる上に、必ずひかれます。

そんな思いを馳せて書きはしませんがいい経験です。書道家はたくさん
いるでしょうが鯨の髭に書く人は希有なのでは。
書体はやわらかですが気分は鯨だけに吠える(Whale)?←こんなことを
うんちくの後に言えばふたり酒がひとり酒になること間違いなしでしょう。
是非クリスマスデートのときに試してみてください。