書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

たずね人

昨日夕方、渋谷で信号待ちをしていると純朴そうな女の子に声をかけられた。
「すみません、このへんで有名なラーメン屋さんてどこですか?」と。
かれこれ渋谷の街とも十年以上密に付き合っている。もちろんラーメン屋
だって知らないわけではない。しかしこの街でこんなことをまっすぐに
聞かれると期待に応えてあげたくて真剣に考えてしまうのだ。
おそらく電車で何時間もかけて朝、渋谷に着いて原宿まで歩いて洋服買って、
マックでお昼食べて、渋谷のデパートをウィンドウショッピングして
ちょっとおしゃれなカフェでお茶をしてさぁ最後に美味しいラーメンを
食べて帰るぞってテンションで聞かれたら(勝手に想像だけどね)
無下にできようものか。そこで導いた答えはセンター街の場所を教えて
そこを歩けば何軒かあるから選んでくださいというひどく凡庸なものと
なった。というのも僕は普段ラーメンを食べないからだ。食べたとしても
より明け方に近い時間に酔っぱらって食べるのだから味もなにもあったもん
じゃない。ラーメン屋ぐらい・・って思ったけど知ってるような気がして
唐突に訊ねられると実は何にも知っちゃいないってことがいろいろあるもんだ。
ちょっとすまない気持ちもありその後センター街を歩いて有名と称される
ラーメン屋を外から覗いてみたけど彼女たちの姿はついぞ見つけられなかった。
ごみごみとして温もりを感じない街での珍しい出来事、写真はハンズの
園芸コーナーで撮った「フォックスフェイス」。
まさに狐につままれたような一瞬だったのだ。