書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

その向こうの美しき笑顔

先週末は銀座でイベントだった。

70人を超える来場者の99%が女性という、
この男にしては珍しい光景の中で
大書の披露と、スピーチ、そしてひとりひとりへ
その場で<感字>を書かせていただきました。

大書は「咲」。
根を見つめ、強くすることで花は咲く。
他人の花を見ているだけでは自分の花は咲かない。


その後、ひとりと対峙して
ひとりへと言葉を紡ぐ書のときの話。

俺よりも若干歳下とおぼしき女性が座る。
その方は一昨年、ご主人とお子様を亡くされたと話してくれた。
それはもう筆舌に尽くせぬ悲しみ、
想像をはるかに越える苦しみにさいなまれたのに
とてもとても澄んだ美しい笑顔で凛としていた。
本当の痛みを知る人の静かで穏やかな佇まい。
その空気を感じて筆を取った。
書きあがりを見て、彼女は一筋の涙を流す。
そこに横たわる時間は大変なものだけど
感謝と愛の意味を知っている優しい表情だった。

人は人からたくさんのことを学ぶ。

書いてるこちらが深く清らかな人間性を教わった瞬間でした。


強い根を張って行こう。








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