書画家 高野こうじ 公式blog

書道、アートの作品を中心に日々感じたことを綴る

車は通り過ぎ振り返ったのは俺だけ

新宿の片隅から罵り合う街をみていた。
この夜、まだビールは2杯ばかり。
金曜日の深夜、誰よりも遠く醒めた気持ちで
歌舞伎町を新宿駅の方向にブーツをむける。

道ばたで大の字になって寝ほうける酔客。
何事か警官に囲まれ怒声をあげるヤサグレもの。
おねーちゃん相手にスケベ面さげてるホワイトカラー。
眠い目をこすりながら生きるために誘導棒を振る男。
上前をはじき、ぼろ儲け、ヤニ下がる無法者。
生気のない瞳でネットの向こうに希望を夢見る青年。

清濁混沌とした夜が狂乱の蜃気楼に浮かぶ。

生き馬の目を抜くこの街では猫だってチャンスを狙ってる。
掴まされるのはクソか黄金か。


蒸し暑い夜、
たまらなく3杯目のビールが欲しくなる。