DVで逃げてきた妻を探して錯乱状態で怒鳴りこんでくる旦那。
服役中の父親とその間に男に走る母親の中で
愛されず心を閉ざしてしまった女の子。
ライフルを持ってかちこんでくる男。
男の借金のために身を滅ぼす仕事から抜けられない女性。
たくさんの命と対峙して救ってきた。
それでもこの人は自慢することもなく、
媚びることなく超然としている。
新宿救護センター所長 玄さんと。
8年前の昨日、新宿救護センターは開所した。
その記念の日を祝い、一筆入魂。
慢性的な資金難の中、ひとりの命のために身体を張って8年、
真似できる者はひとりもいないと思う。
「不借身命」。
玄さんにぴったりの言葉だと思う。
夜、寿司屋のカウンターに座り静かに杯を交わす。
歴史ほどに染み入る一杯。
やっぱり一日をしっかり積んでいくだけなんだ。
一日を一生のつもりで生きろ。
おぅ。