山はそこにあった。何も言わずただそこに
あるだけなのに俺はその前で言葉を失った。
圧倒的な威厳さを誇る、穂高や槍ヶ岳。
清流はその生命力から冷たくどこまでも澄んでいる。
山に川に空には失礼にあたるが俺もその一部に
なりたかった。とりあえずいつも以上に深呼吸
を繰り返してみた。そして寝転がってみた、
なんとなく。足が写ってしまった。
マイカー規制で保護された場所だからこんな
身も蓋もない文言さえ許せてしまうのだ。
陽が落ちれば星の出番だ。酒も出番だ(苦笑)。
迎撃体制もバッチリ、かかってこんかい。
満点の星空を仰ぎ見ながら、かの麦焼酎「百年の孤独」
のお湯割りを飲む。いつもとは違う酔いが身体を
駆けめぐる。
俺はいったいいつの間に寝たのか?
翌日は川べりに腰をおろし、眼前の穂高を描いた。
せせらぎと陽光が穏やかなのに凛然とした空気が
張りつめている。
帰りは白骨温泉で湯治。
自然は凄すぎる。そして素晴らしい。
五感刺激されまくったよ。
旅に出てみない?